きみの想像を超えていく。

日々の記録やら、思いつきやら。

【コラム】済州島旅行でヤンさんと出会って考えた話

 

さて、ここで、

済州島2日目に、1日お世話になった

日本語タクシードライバー、ヤンさんのお話を。

 

ヤンさんは、1日貸切日本語タクシーのドライバーさんです。

年齢は...60代くらいかな?

キャップをかぶった白髪混じりの男性です。

 

生まれも育ちも済州島出身というヤンさん。

「ここ(済州島)が最高ヨ!」

と、済州島の魅力を語り出すと熱がこもるのがわかります。

 

写真を撮るときは、お客様(私たち)大優先。

(周りの韓国の方、ちょっと困っていたようで申し訳なかったですが汗。謝りました。)

 

私たちが済州島の魅力をより楽しんで旅行ができるように、

希望を元に旅程を組んでくださいます。

普段は通らない海辺の道を通ってくださったり、工夫してくださいました。

 

風景を見ながら、

「この辺は〜〜という地域で、・・・・ですよ」

とガイドもしてくださいます。

 

道が混んでいて、貸切終了がお約束の17時をすぎてしまったのですが、

追加料金を請求することもなく、

 

最後は、地元の美味しいお店へ連れて行ってくださり、

私たちが置いたガイド料を確認することもそっちのけで、お店に飛び込んで、

お店の人には細かく韓国語で注文を入れ、私たちに日本語で説明し、

 

「(見送らなくて)いいから!!食べて!!」といって、

お店を飛び出しそのまま去って行きました。笑

 

今でも思い出すとほっこりします。笑

ありがとうございました。ヤンさん。

(ちなみに延長した分も加味して、貸切料を少し多めにお支払いしておきました。感謝が伝わっているといいな。)

 

 

***

 

私は、ヤンさんは不器用だけど優しくていいドライバーさんだったな、と

捉えました。

しかし、全て終わってみて感じたのは、人によっては、

ヤンさんを「よくないドライバーさん」として評価してしまうのではないか?

ということです。

 

以下、私の「独りよがりな考えすぎ」かもしれませんが、

それでもよければ読んでください。笑

 

ざっくり言うと、言葉の使い方の問題、と短く言えてしまうのですが、

ヤンさんが使う日本語が、少々キツいのです。

 

いわゆる「上から目線」であるような表現もありましたし、

ぶっきらぼうな表現もありました。サービス業ではあまり使わない日本語です。

 

途中でわかったのですが、その理由は、

ヤンさんが日本語を大阪で覚えていたのと、

中級の学習者であるからだと思います。

 

ヤンさんは若い頃、大阪で働いたことがあるそうです。

私は大阪出身ですが、関西のおっちゃんたちが話す日本語を思いだすと、

ヤンさんの口調になんとなく、似ています。

 

ヤンさんの場合は、流暢ではなく、カタコトです。

関西で覚えた日本語がカタコトであった結果、

言い方がキツイような伝わり方をしていたんだな、と思いました。

 

これまでに日本語を学習中の海外の方、少なくとも300名以上には会ってきましたが、

その方々と一緒で、おそらく「本当はそういう表現をするつもりはなく」ても、

はからずも、「相手には違ったニュアンスで聞こえてしまう」場合はあります。

 

ヤンさんは表情は硬く、ぶっきらぼうな感じです。

お客様によっては、苛立ってもおかしくないかもしれません。

 

 

もしも、

日本語を学習中である海外の方と話慣れていない日本人の方がお客様だったら。

関西のイントネーションに慣れていない方がお客様だったら。

ヤンさんの話し言葉をそのままの意味で捉えてしまう方がお客様だったら。

 

 

実は、ヤンさんの何気ない、悪気ない一言、

むしろ、相手を想った優しさから出た一言が、違った伝わり方をして、

済州島のドライバーが偉そうでさ...」という話に繋がりかねない、と感じたのです。

 

サービス業なのだから、日本語で対応するなら、

誤解を与えないような日本語を身につけなければいけない

と言うのは、サービス業に従事した者としては、

至極まっとうな正論だと思います。

 

ここで指摘したいのはそんなことではなくて、

 

日韓関係が戦後最悪と言われている今だからこそ、

お互いに相手を思って発した言葉が、両者の不仲の原因になるような悲しい結末には

繋がって欲しくないなあと感じます。 

相手の背景を想像すれば、気にしなくて良い些細なことだったりするのですから。

  

私も韓国語学習中の身で、

韓国の方と会うと韓国語を話したい欲が強く出てきてしまうのですが、

不用意に韓国語を話して相手に間違った伝わり方がないようにしなければ...。

  

なお、今は日本人の観光客が激減していて、日本語タクシーの仕事が少ないそうです。

それまでは、日本人のお仕事だけで問題なかったけれど、

今は、韓国人の方の案件も対応しないと生活できない、

といったことをおっしゃっていました。

 

***

 

さて余談ですが、ヤンさんが言うには、

日本の方はメーター利用を求め、結果的に、

規定の貸切金額よりも、高額になることが多いそうです。

 

今回の1日貸切タクシーは、13万ウォンで約束して、受けていただいたのですが、

メーターにしていたら、21万ウォンとかなり高額だったよ、とのこと。

 

ここからは私の想像ですが、

おそらく、昔、韓国で一部のタクシーで、

日本人に対するぼったくりがあったことから、

ガイドブック等に「タクシーに乗るときには必ずメーターを!」等と書いてあり、

実践される方が多いのかもしれません。

 

う〜ん。お互いの信頼関係を築くって、

国に限らずどんな場面でも難しいですよね。

特に言葉が違うと余計に。

 

もしも、済州島で日本語の貸切タクシーを利用されたい方は、

ヤンさんを紹介してくださった金さんをご紹介しますので、

ぜひご連絡ください。